水虫以外にもある白癬菌の病気
白癬菌の感染場所によって病名が異なる
白癬菌は時に水虫菌とも呼ばれるほど、水虫の原因菌として定着しています。
しかし、実際は水虫以外にも皮膚病を引き起こしています。
白癬菌により引き起こされる症状として、体部白癬(たむし)、股部白癬(いんきん)、足白癬(水虫)、爪白癬(爪水虫)、頭部白癬(しらくも)があげられます。
これらについて以下で解説します。
*文中に紅色白癬菌や毛瘡白癬菌といった白癬菌の名称が出てきますが、こちらにいては白癬菌の種類で解説しています。
体部白癬(田虫:たむし)
髪の毛の生えている部分・手・足・股以外の部分に白癬菌が感染して起こる症状です。
白癬菌の中でも、紅色白癬菌(こうしょくはくせんきん:Trichophyton rubrum)が最も原因菌として多く、次に毛瘡白癬菌(もうそうはくせんきん:Trichophyton mentagrophytes)。
股部白癬(陰金:いんきん)
股、太股の内側や陰部に白癬菌が感染して起こる症状です。
紅色白癬菌が最も原因菌として多く、次に毛瘡白癬菌。
足白癬(水虫)
足、特に足の裏や足の指の間に白癬菌が感染しておこる症状。
紅色白癬菌が最も原因菌として多く、次に毛瘡白癬菌。
紅色白癬菌の場合は、角質化型の水虫で痒みが少なく、特に高齢者に多くみられます。
毛瘡白癬菌の場合は、小水疱型水虫になりやすいので強い痒みが出ることが多いです。こちらは比較的若い年代に多く見られます。
爪白癬(爪水虫)
手の爪・足の爪をに白癬菌が感染して起こる症状で、爪水虫と呼ばれることが多いです。
角質型と同じく、紅色白癬菌による場合が多いです。毛瘡白癬菌でも起こることがありますが、比較的少ないようです。
頭部白癬(白雲:しらくも)・ケルズス禿瘡
頭部の髪の毛のある部分に白癬菌が感染して起こる症状です。脱毛まで引き起こすものはケルズス禿瘡と呼ばれます。
イヌ小胞子菌(Microsporum canis)、疣状白癬菌(ゆうじょうはくせんきん:Trichophyton verrucosum)が原因であることが多いです。これらの菌はペットや家畜など動物についていることが多く、犬や猫を飼っている人や酪農家は注意が必要です。
その他、紅色白癬菌、毛瘡白癬菌の感染により発症することもあります。