水虫の原因菌、白癬菌の種類
水虫の原因菌、白癬菌にも種類があります
白癬菌にも種類があり、それぞれ症状も異なります。日本で一般的な白癬菌について解説します。
紅色白癬菌
和名:紅色白癬菌(読み:こうしょくはくせんきん)
学名:Trichophyton rubrum(読み:トリコフィトン ルブルム)
主に角質化型の水虫、爪白癬(爪水虫)を引き起こします。股部白癬(陰金:いんきん)、体部白癬(田虫:たむし)も紅色白癬菌が原因であることが多いです。まれに頭部白癬(白雲:しらくも)を引き起こすこともあります。
毛瘡白癬菌
毛瘡白癬菌(読み:もうそうはくせんきん)
Trichophyton mentagrophytes:(読み:トリコフィトン メンタグロフィテス)
主に小水疱型の水虫を引き起こします。爪白癬(爪水虫)、股部白癬(いんきん)、体部白癬(たむし)を引き起こすこともあります。まれに頭部白癬(しらくも)を引き起こすこともあります。
趾間白癬菌
和名:趾間白癬菌(読み:しかんはくせんきん)
学名:Trichophyton mentagrophytes var. interdigitalevar.interdigitale(読み:トリコフィトン メンタグロフィテス インテルジキターレ)Trichophyton mentagrophytes
非常に長い名前ですが、学名の途中にあるvar.とは変種を意味するvariatio (バリアチオ)の省略形です。単にvar. interdigitale(インテルジキターレ)と呼ばれることもあります。
学名の途中まで毛瘡白癬菌と同じことからもわかるとおり、毛瘡白癬菌の変種です。趾間型水虫の原因菌の一つです。この趾間白癬菌を含めた毛瘡白癬菌と紅色白癬菌で、日本における白癬菌による病気の90%を占めるといわれます。
イヌ小胞子菌
和名:イヌ小胞子菌(読み:いぬほうしきん)
学名:Microsporum canis(読み:ミクロスポルム カニス)
犬猫などのペットや家畜にいる菌で、これが人に感染した場合に症状が出ます。主に頭部白癬(白雲:しらくも)の原因菌です。
星状白癬菌
和名:星状白癬菌(読み:せいじょうはくせんきん)
学名:Trichophyton asteroides(読み:トリコフィトン アステロイデス)
変種としてvar.asteroidesと書かれることもありますが、変種ではない確立した生物としてTrichophyton asteroidesという学名をもっています。
イヌ小胞子菌と同じく、頭部白癬(しらくも)の原因菌で、髪の毛が抜けるケルスス禿瘡を引き起こすことが知られています。
トンズラス菌(新型水虫菌)
和名:無し。通常トンズラスと呼ばれます
学名:Trichophyton tonsurans(読み:トリコフィトン・トンズランス)
新型水虫とも呼ばれる、国外の白癬菌。柔道・レスリングなどのスポーツ選手が海外遠征時に感染することがあります。頭部や体部で発症し、田虫、白雲をおこします。感染力が非常に強いのが特徴です。
詳しくは新型水虫、トリコフィトン・トンズラスとは?で解説しています。
疣状白癬菌
和名:疣状白癬菌(読み:ゆうじょうはくせんきん)
学名:Trichophyton verrucosum(読み:トリコフィトン ベルコースム)
牛に寄生している白癬菌で、牛の皮膚真菌症の原因菌で人にも感染します。そのため酪農家の人は注意が必要です。頭部白癬(しらくも)の原因菌で、髪の毛が抜けるケルスス禿瘡を引き起こすことがあります。
菫色白癬菌
和名:菫色白癬菌(読み:きんしょくはくせんきん)
学名:Trichophyton violaceum(読み:トリコフィトン ビオラセウム)
あまり感染することは無い菌です。頭部白癬(しらくも)の原因菌で、髪の毛が抜けるケルスス禿瘡を引き起こすことがあります。
石膏状小胞子菌
和名:石膏状小胞子菌(読み:せっこうじょうしょうほうしきん)
学名:Microsporum gypseum(読み:ミクロスポルム ギプセウム)
土壌にいる菌で、土を掘り返す犬によく感染が見られます。イヌの皮膚真菌症の原因菌の一つですが、人にも感染し股部白癬などを引き起こします。
鼠径表皮菌
和名:鼠径表皮菌(読み:そけいひょうひきん)
学名:Epidermophyton floccosum(読み:エルデルモフィトン フロッコーズム)
股部白癬などを引き起こします。