イミダゾールやアミンなどの系とは?
大きくはアゾールと非アゾールの2系統
水虫薬の有効成分はいくつかありますが、大別するとアゾール系統と非アゾール系統に分かれます。
アゾール系統の有効成分はイミダゾール系、非アゾール系統にはアリルアミン系・ベンジルアミン系などの複数の系の薬剤が含まれています。
ここでは水虫薬の有効成分がどの系に属するのかと、各系の殺菌の仕組みを解説します。
有効成分について詳しく知りたい方は薬の有効成分比較を、薬についてはおすすめ水虫薬の比較をご覧ください。
イミダゾール系
イミダゾール系の元祖クロトリマゾールが1970年代に登場して以来、抗真菌薬の主流となりました。
効果が高いだけではなく、多くの細菌に対して有効である(抗菌スペクトルが広いと表現されます)のが特徴です。白癬菌だけでなくカンジダにも良く効きます。
イミダゾール系の水虫薬の有効成分は以下のものです。
- クロトリマゾール
- ミコナゾール
- スルコナゾール
- ビフホナゾール
- ネチコナゾール
- ラノコナゾール(水虫薬:ウィンダムなど)
- ルリコナゾール(水虫薬:ルリコン*医療用)
イミダゾール系の殺菌の仕組み(メカニズム)
細胞膜の合成に関わる物質(チトクローム450)に結合することで細胞膜の合成を阻害して、菌の発育を抑制します。またミコナゾール以降の新しいタイプの物は細胞膜に直接働き殺菌も行います。
アリルアミン系
白癬菌やカンジダなどに効果を示し、イミダゾール系と同様に抗菌スペクトルが広いのが特徴です。
アリルアミン系の水虫薬の有効成分は以下のものです。
- 塩酸テルビナフィン(水虫薬:セラミA、ダマリングランデ、ラミシールなど)
アリルアミン系の殺菌の仕組み(メカニズム)
真菌の酵素(エポキシターゼ)の働きを阻害することで細胞膜の合成に必須の物質であるエルゴステロールの合成を阻害し、白癬菌の増殖を抑制成、細胞膜に障害を与え殺菌します。
ベンジルアミン系
ベンジルアミン系の水虫薬の有効成分は以下のものです。
- 塩酸ブテナフィン(水虫薬:ブテナロックなど)
ベンジルアミン系の殺菌の仕組み(メカニズム)
アリルアミン系と同様、エポキシターゼの働きを阻害することでエルゴステロールの合成を阻害し、白癬菌の増殖を抑制成、細胞膜に障害を与え殺菌します。
モルホリン系
モルホリン系の水虫薬の有効成分は以下のものです。
- アモロルフィン(水虫薬:ダマリンエースなど)
モルホリン系の殺菌の仕組み(メカニズム)
細胞膜に必須の成分であるエルゴステロールの生合成経路を、2つの段階で阻害することで白癬菌の細胞膜の合成、機能に障害を与え殺菌します。